*革への興味
このホームページを見られる方は、革に興味があり,どのような過程で皮が作られて行くのか、製造過程などの概略を知りたいかも知れません。
専門的な事になると知識は膨大で、この業界の技術者になるには最低でも、10年以上の経験が必要です。
ですから、4点ほどに絞って説明致します。
不備があるかも知れませんがご容赦下さい。
*革になるまでの概略(素人様向け)但し、牛革の説明のみと致します。
原料 (原皮)
原材料の皮は、生の毛皮の状態です。(食肉を生産する工程の前段階で皮を剥ぎ取った物に塩水処理・あるいは、塩をまんべんなく振りかけ腐敗防止処理した物)それが原皮です。
産地は世界中です。食肉文化が有れば、副産物として必ず原皮が出来る。人が肉を食す限り資源は無尽蔵です。(主な輸入国は、合衆国・オーストラリア・ヨーロッパ・南米などです。)
それ以外に鞣し工程済みの物(ウェットブルー)も輸入されています。
原皮は、そのままでは利用出来ないので、皮から革に加工する必要が有ります。それらの工程について、4段階ほどに分けて簡単に説明致します。
1.準備作業 (鞣し前)
工程の最初は、原皮に付着した汚物や塩の除去などの為、大量の水による洗浄作業から始まります。
次に皮裏に着いている油の除去
次に脱毛 (毛皮になる物は別)
スプリット作業(本革と床皮にスライスカットして、二つに割る)
*この間,各工程で機械作業・薬剤使用などが有りますが、省略します。
上記が終了した時点で、下記の鞣し工程に入ります。
2.鞣し工程 (皮から革へ)
防腐・耐熱・柔軟性・銀面の絞まりなどの要素を与える工程です。
この工程である程度、利用目的が決定されるとお考え下さい。
「衣料手袋用・バック用・靴用・シート用・グローブ用など」
*皮革鞣しの種類
クロム鞣革が主力ですが、タンニン鞣し・、アルミ、ジリコニウム、ホルマリン鞣し・グルタールアルデヒド鞣し・油鞣し・ミョウバン鞣しなど、沢山の鞣しが存在します。又、コンビネーションする場合もあります。
鞣しの種類が多いのは、それぞれ、一長一短が有るからです。
工程については、種類も多く複雑なため省略します。
上記、鞣し工程が終了した時点で、耐熱・防腐などの処理が終わります。
*鞣し工程が終了し、皮は、革(ウェットブルー)に成りましたが、まだ商品にすることは出来ません。次の工程、染色・加脂などの工程が必要です。
3.染色加脂(色付け・柔らかさ・弾力などの調整)
準備作業として厚さ調整のため、セービングマシンで革裏を削り、染色工程に入る。
染料で着色、次に加脂(天然油・合成油など)工程に入ります。
この工程でも用途別に、再鞣し・合成タンニン・植物タンニン他、色々な薬剤を注入充填いたします。
続いて、乾燥その他、用途に応じた作業が連続します。
これらの工程を経て、色・風合い調整された、最終目的革生地になります。
この段階で製品利用される物も有ります。(手袋・グローブ・素上げ革など)
一般の方は、この段階以降の物を革製品として目にしています。
4.仕上げ作業
革生地に最終色調整・塗膜形成・各種艶調整・感触調整・耐水調整などを手作業・機械作業などを複雑に絡ませながら、製品要望にマッチした商品に作り上げます。
女性の化粧に似た側面もあります。
通常、皮革製造業者の仕事はこれまでです。(出荷される。)
*補足
*製品になるまでの作業工程数は、15~30工程が必要
*牛革の説明と前置きしましたが、牛革と一言で表現する事は出来ません。
それは、産地による違い、同国・同地域でも品種の違い
雄・雌の違い・腹子・子牛などの違いも有ります。
季節にも影響されます。(屠殺された時期、生産する時期)
それぞれに、それなりの鞣しの工夫が必要です。
一定で無い物から目的物に近い物を製造する。
ですから皮革の技術は奥が深いのです。
私も、製造経験40年前後になりますが、未だ理解できていません。
理解できている人は、おそらく皆無でしょう。ですから逆に研究も進んでいく。
ですから、どのような革でも生産できる、皮革製造業者はありません。
牛革以外の馬皮・羊・豚・山羊・鹿・爬虫類・などでも同様です。
*説明不足等
私の説明文は、素人さんに解りやすく書いたつもりですが、説明不足・不適切な表現があるかも知れません。ご指摘があれば改善するつもりです。改良点有りましたらお知らせ下さい。
*専門的知識が必要な方へ
革の製造過程の詳しい説明については、化学的な説明・機械作業・手作業など物理的作業を加えると、非常に複雑です。又、タンナー(皮革製造業者)個別にそれぞれが、特異(アレンジ)な技術を持っている訳ですから、一般論では説明不能です。下記のホームページを見れば、専門用語・作業工程などの概略は理解できると思いますが、あくまで理論と説明文にすぎないとお考え下さい。
興味のある方は、以下リンクしています。日本タンナーズ協会・兵庫県皮革産業連合会・JLIAなどに、専門用語・工程別作業・技術情報なども含め網羅されています。ホームページを参考にしてください。
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