<人工皮革・合成皮革>

 

人工皮革

 人工皮革は、天然皮革の外観や構造をまねて、ポリエステル等の微極細繊維を不織布状にし、ポリウレタン樹脂の中に含浸したものです。スエードタイプのものと銀面タイプのものがあり、どちらも天然皮革と区別することは困難です

 

合成皮革は、生地表面にポリウレタン樹脂等をコーティングする方法と、離型紙上にフィルムを作って基布に貼り含わせる方法があります。

この際、基布にあらかじめポリウレタン樹脂を塗布して水中に浸漬し、微多孔層を作ったものを湿式法、微多孔層のないものを乾式法と言います。

 

ポリウレタンが便用されるのは、変形自由度が大きいこと/風合いが良いこと/柔軟であることがいえます。

特徴・天然皮革に似たファッション生地である。

・軽くてソフトな風合いを持っている。

・人工皮革、合成皮革に使用しているポリウレタン樹脂は、通常4~5年位で脆化し始める。

(脆化の要因は汗・紫外線・酸化窒素ガス・ドライクリーニング溶剤の残留等が考えられる)

 

・長期間の保管でも脆化するので、出来るだけ着用する事をお勧めします。

 取扱い注意事項 ・汗・雨・整髪料等が付着したら、乾いたタオルで水分を拭き取って下さい。

 

・便用後は陰干しにして、乾燥させて下さい。

・直射日光に長時間当たらないようにして下さい。

・ドライクリーニングから返却されたら必ずビニール袋を取って下さい。

・高温多湿の場所に長時間放置しないで下さい。

・年に数回は風通しの良い場所で陰干しをして下さい。

 

・ドライクリーニングから返却されビニール袋を取った時、臭いがすると溶剤の残留が

 考えられます。その時着用すると化学ヤケドをする場合がありますので、十分風通しの良い所で

 乾燥させてから着用して下さい。

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 要するに、似たような外観風合いを持っていても、所詮人間が作った物です。将来は判りません  が、必ず劣化する。天然皮革が劣化しないわけではありませんが、その速度は遅く修復も可能な場 合が多いと思われます。

 2~3年使用出来ればとお考えの方は、天然皮革に無い良い特性もあるので一概にどちらが良いな どの判断は出来ません。

 

天然皮革は合成皮革とどう違うのか

 

  • 合成皮革はあくまで天然皮革をモデルに真似た物です。
  • 研究開発はかなり進んで最近の物は見た目でほとんど区別が出来ません。

     繊維密度も革をしのぐ物も有ります。

 

  • 耐水性・耐溶剤性・耐油性など優れた物も存在します。それに軽い。
  • 反物のように製作できるので生産ロスも比較になりません。
  • 革のように一枚の中でも部位により繊維密度が異なるなどもありません。汚れなども簡単に落とせるなどのケースも有ると思います。
  • その他にも、革にない特性(皮革で現在不可能)を持たせることは可能と考えられます。
  • 最大メリットは、大量生産が出来るので価格が安い。
  • 以上の様な事を考えると、天然皮革の利点はないと思われるかも知れません。

実際そうでしょうか?

  • 私は、個人的な見解ですが、天然皮革は上記の合成繊維の特性を総てバランス良く持っていると考えています。
  • 個別の特性は劣る物も有ると思いますが、総体的に考えると天然皮革を超える物は存在しません。
  • 靴などを例にすると解ると思いますが、履いていて足に馴染む事はないでしょう。
  • 型崩れしないから良いと考える人は別ですが、私は合成皮革の靴は履きません。
  • 底剤とか内側の弾力性でそれらをカバーしている商品も見かけますが、天然皮革に勝てるのでしょうか、将来は3D技術で個別の足を型取りして製作などが考えられますが、今は未だその域に至っていません。
  • もしそれらが実現できたとしても、所詮人間が作った物、劣化の問題や耐熱性などは、クリアー出来るのでしょうか?
  • 航空機でも最近は、革シートが主流に成ろうとしています。戦闘機でもシートは当然革